第9章:行きたいです

サラ視点

レイの夢を見ていた。すると突然、私はまた森の中に立っていた。今度は森の中に一人きりだった。時刻は夕暮れと夜の間くらい。そのとき、狼の遠吠えが聞こえた。

「カリーナ?」

彼女は木陰から姿を現した。

「ここにいるわ」

「話があるの」

「ええ」

「レイ王が私の頬に触れたとき、彼が手を離したらピリピリした感じがしたの。あれは何?」

「それはメイトの絆よ。あなたが彼の近くにいたり、彼があなたに触れたりするたびに、メイトの絆を感じることになるわ」

彼女がそう言った後、私の顔には、そんなこと今まで聞いたこともない、といった表情が浮かんでいたに違いない。メイトの絆についても、ピリピリ...

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