第4章

 恵理視点

  ベッドに置かれたドレスを見つめる。深い青色のシルクが、ランプの光を捉えていた。

 サイズは完璧なはず。当たり前だ。新は私のサイズも、好みも、どの青が私の目の疲れを隠してくれるかさえ、知っている。

 あるいは、正人さん、かしら。もう、どちらかわからない。

 手を伸ばし、その生地に触れる。指先が震えた。

 「舞踏会へ向かうシンデレラみたい」

 ただ、零時の鐘は必ず鳴る。六ヶ月後には、すべてが消える。このドレスも、このマンションも、白銀の名も。すべて。

 新はウォークインクローゼットの中に立っていた。今夜試したのは、これで五本目のネクタイだ。チャコールグレーはき...

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