第7章

恵理視点

私は小百合の家のソファで体を丸めている。彼女の古いスウェットを着て、髪もボサボサのまま。シャワーも浴びず、ろくに食事もとらず、ただ天井を見つめて二日が経った。

小百合がサンドイッチの皿を持ってやってくる。「恵理、食べなきゃだめだよ」

「お腹、空いてない」私の声は平坦だった。

「もう二日だよ。そんなことしてたら――」

彼女のノートパソコンが通知音を立てる。小百合は画面に目をやった。そして、顔色が変わった。

「やばっ」

「……何?」私は顔を上げる気にもなれない。

彼女はパソコンをこちらに向けた。「白銀家の取締役会。十分後にライブ配信。SNSで話題にな...

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