第114章 なぜ彼女を止めないのか

 この者たちは抵抗一つできず、以前にわたくしが見た、戦場で箔付けをしようとする貴族たちの姿と瓜二つだ。普段は威勢よく叫ぶくせに、いざ敵を目の当たりにすると、途端に恐れおののき、尻尾を巻いて逃げ出す。

 カンティニはそれを見て吐き気を覚えた。

 だが、このような人間は同時に、またとない切り札にもなる。かつて南部戦線で捕らえたあの子のように、フロールに直接撤兵を承諾させ、己の騎士長の職と引き換えにできたように。

 もし今回も、カンティニがこれらの貴族の子弟を捕らえ、彼らを人質にゾット城の者たちを脅せば、またフロールに負けたふりをするよう要求できるのではないか?

 たとえフリーデルが東部戦...

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