第171章 悩み

何はともあれ、セリマ様はフリーデルの母なのだ。門前払いするわけにもいかない。彼は深く息を吸い込み、努めて平坦な口調を作った。

「アタラット荘園に返事を書いてくれ。母上に伝えてほしい。ドレスや宝飾品の用意は私の方でするが、すべて母上の要求通りにするわけではない、と。もしそれが不満なら、来なくてもよいとな」

ライエンは、あの夫人が烈火のごとく怒り狂う姿を容易に想像できた。唇を引き結び、こみ上げる笑いを必死に噛み殺す。

「かしこまりました、殿下。後ほど手紙をしたためます。では、ヴェルリット公爵との件について、ついでにセリマ様にお伺いしますか?」

フリーデルは首を横に振った。

「いや、母上...

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