第173章 最良の選択

「今、外では無数の目が君を注視している。だが君は公爵だ。言い寄るにしても、やり方には配慮が必要だろう」

アネルは思わず失笑した。

「では、フリーデル様もどなたかの腹を探りにいらしたのですか?」

フリーデルは真剣な眼差しでアネルを見つめる。

「俺自身のため、という可能性はないのか?」

「……え?」

「つまりだ、アネル」

フリーデルはアネルの瞳を真っ直ぐに見据えて言った。

「俺は君が好きだ。君を妻に迎えたい。受け入れてもらえるだろうか」

アネルは反射的に二歩下がった。耳にした言葉が俄かには信じられなかったが、フリーデルの真剣な表情を見て、胸の奥が震える。半刻ほど迷った末、彼女は...

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