第250章 生きてさえいればいい

アネルもそうだと思い直した。いまやソース帝国中がルシーダの件で持ちきりで、そのあおりを受けてキレンヤ姫の評判もすっかり曇っている。もしキレンヤ姫が、キリアットを思い通りに操れるような策謀家だとしたら――誰よりも大切にしているルシーダのことを、好き勝手に言われるまま放っておくはずがない。

「……わたくしの考えすぎかもしれませんわね。最近はキレンヤ姫にまつわる噂が多すぎて、つい何でも結びつけてしまいますの」

アネルは唇をきゅっと結び、どこか諦めたように声を出した。

「ただ、この件がルカスと関わっている以上、背後にいるのはヴェルリット家の敵だと見て間違いありませんわ。その点だけは揺るぎません...

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