第254章 誰が王様かは重要か

ジェンバース伯爵は眉をひょいと上げた。「ヴェルリット公爵にそう問われては、正直に話すほかありませんな」

「現在のキリアットは、表向きこそ陛下の命に従っていますが、裏ではそうとも限りません。しかし内務大臣の筋から、陛下がキリアットの排除に動くかもしれないという噂を耳にしましてね。その可能性があるのなら、先んじて陛下に寝返ったほうが得策というものです」

 フリーデルは明らかに安堵の息を漏らした。てっきりジェンバース伯爵が、ソース帝国の法に触れるような汚れ仕事を要求してくるものと身構えていたからだ。だが、単に兄王の麾下に加わるための仲介を求めているだけなら、さしたる問題ではない。兄王も以前から...

ログインして続きを読む