第255章 心配無用

ジェンバース伯爵は机に歩み寄ると、何気ない手つきでアネルに巻物を差し出した。受け取って開いてみると、それはなんとキリアット周辺の地図だった。

「地図に記したルートを辿るといい。あの一帯は私の縄張りだ。他の勢力の者が嗅ぎつけてくることはないし、万が一迷い込んだとしても、手下の者が始末する。ただ、キリアットの勢力圏を抜けた先については、ヴェルリット公爵とフリーデル殿下の手勢に任せることになるが」

「もっとも、過度な心配は無用だ。先ほどフリーデル殿下と打ち合わせた通り、『出品物』が死亡したという情報は既に流してある。情報が漏れるか、誰かがあなた方の動向を監視でもしていない限り、ルカスが生きてい...

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