第270章 一人前の後継者になる

「ええ、もちろんですわ。たとえフリーデル様の領地へ参りましても、ルカスが冷遇されるようなことは決してございません。その点に関しては、わたくしはフリーデル様を信じておりますし、あの方もルカスのために最善を尽くしてくださるはずです」

 アネルの言葉を聞いたサムナーの瞳に、一瞬、昏い光が宿った。だが、それは瞬く間に消え失せる。

 彼は視線を伏せ、ルカスの小さな手を優しく包み込んだ。

「ルカス、おじさんに教えておくれ。お前はヴァーンカ家で、俺や皆と一緒に暮らしたいか? それとも、叔母様と一緒にヴェルリット荘園へ帰りたいか?」

 ルカスは、サムナーの瞳の奥に滲む苦渋を敏感に感じ取っていた。彼は...

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