第275章 ホウデンの幸運

あの一件以来、周囲の態度は軟化したようだった。共闘した春藤騎士団の連中でさえもだ。その後、騎士長の座が空いた時も、ホウデンはまさか自分にお鉢が回ってくるとは思わなかった。悪くない働きはしていたが、彼より優秀な者など数えきれないほどいたからだ。

だが、人選が確定する直前のことだ。ホウデンがたまたま当時の騎士団長の傍を通りかかった時、あの方――温厚な団長は、彼の肩をポンと叩いてこう言ったのだ。

「この好機を大切にするんだな、ホウデン・タイタン。君ほどの強運の持ち主はそうそういない」

直後に吉報が届いた。戦場での獅子奮迅の働きが認められ、騎士長への昇進が決まったというのだ。

あまりの僥倖に...

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