第279章 再び門前払い

「ん?」

ホウデンは要領を得ないといった顔でティルデンを見た。帰宅の許可を問われたのだと勘違いしたらしい。彼はすぐに大きく頷いた。

「ああ、そうだ。一度家に戻る。すぐ帰ってくるさ」

ティルデンの瞳の奥に、微かな、だが確かな呆れの色が滲む。彼は適当に頷いてみせた。

「……行け」

肯定の言葉を得て、ホウデンはそそくさと踵を返した。ティルデンの傍らに、いつの間にか人影が増えていることになど、まったく気づきもせずに。

軽薄な雰囲気を纏った男が、ホウデンの背中を値踏みするように見つめていた。

「陛下が仰っていたのは、あれか?」

ティルデンは頷く。

「そうだ。部下を尾行させたほうがいい...

ログインして続きを読む