第289章 彼の死はそう単純ではない

「ホウデンが死んだ、ですって?」

 アネルはわずかに眉を上げた。

「いつのことですの?」

 ケイおじさんはアネルの前に手紙を差し出した。

「先日のことだ。セファオンで暴動が起き、加勢に向かったホウデンが敵の毒矢を受けたらしい。即死だったそうだ」

「セファオン……あそこは王都から随分と離れていて、むしろキリアットに近い場所だったと記憶しておりますけれど」

 アネルは解せぬといった様子で手紙を受け取った。

「ホウデンは日炎騎士団に所属していたはずですわ。あの騎士団の駐屯地は王都近郊。なぜ近くにいない騎士長が援護に向かったのです?」

「俺も最初はそう思ったんだがな。探りを入れたとこ...

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