第302章 意識が遠のく時に見た……

アズラエルの手がふと止まる。だが、すぐに何事もなかったかのように再び撫で始めた。その仕草は、先ほどよりも一層、慈しみに満ちたものへと変わっていた。

パスカル医師の眼差しが、奇妙な色を帯びる。彼は一つ溜息をつくと、ルカスに向かってニカリと笑いかけた。

「ルカス、お前の親父さん……スクルドの餓鬼だった頃の話を聞きたいか?」

父親の名を耳にした途端、ルカスの双眸が大きく見開かれた。

「スクルドの奴、ガキの頃の夢は軍人になって戦場へ行くことじゃなかったんだ。叔父貴のタシロについて回って、旅をすることだった」

「ある年、タシロが戻ってきた時のことだ。スクルドはタシロと一緒にいくと言って聞かな...

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