第309章 正しい呼び方

ヴィレ帝国の人間が、まさかこんな時期に来るとは!

ホウデンは焦燥に駆られた。

いずれノアペとしてヴィレ帝国の者と接触せねばならないことは理解していた。だが、未だホウデンとしての矜持を捨てきれずにいたのだ。人生のどん底に落ちてもなお、彼は固執していた。この任務さえ完遂すれば、またホウデンとして返り咲き、功臣としての栄華を享受できるはずだと。

昨日のオチャヴィの言葉が頭をよぎる。彼は塔を訪れ、こう告げたはずだ。「キリアットで少々揉め事があったようだ。ノアペの出迎えは半月ほど延期になる。その間、ボロが出ないよう役作りを完璧にしておけ」と。

だから当面は安心だと思っていた。

だが、招かれざ...

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