第311章 解けたわだかまり

聞きたいことは山ほどある。だが、何から口にすべきか迷っていた。

その躊躇いを断ち切るように、アズラエルが片手を挙げる。

先ほどのメシアの去り際は、酷く表情を歪めていた。アズラエルとしては、教え子にあの不快な空気を引きずらせたくはない。それに、ノアペがこれ以上疑問を抱くべきでもないのだ。特に、ノアペ自身の人生とは何ら関わりのない事柄については。

「質問はそこまでになさい、ノアペ」

アズラエルは笑みを収め、その表情は厳粛かつ冷ややかな仮面へと変わる。「一つ、肝心なことを忘れているようですね。ノアペはヴェルリット家の人間と面識などなく、その事情に好奇心を抱くはずもないのです」

「成すべき...

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