第325章 選択の深意

「何せメシアの手にはベルダンディーがありますからな……私の記憶が正しければ、かつてヴィルリット家の某がこう宣言していたはずです。『自らアネル・ヴィルリットに相応しい夫を選定し、その者にベルダンディーを託す』と。このことからも、メシアとヴィルリット公爵の関係は浅からぬものがある、ということです」

ロフは淡く微笑み、さして気にする風でもなく答えた。

「そなたも『選定』と言っただろう。だがタシロは長年行方知れずだ。仮に彼が本当にメシアを選んでいたとしても、今更アネルとフリーデルの婚約破棄を要求する権利など誰にもありはしない」

「陛下も人が悪い」

ジェンバース伯爵は呆れたように首を振った。

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