第326章 ゾット城の第三王子

配下の者たちの手並みは信頼している。だが、万が一にもカンティニに違和感を嗅ぎつけられ、事を荒立てられれば——そこから綻びが生じ、こちらの企図が露呈しかねない。事後処理に回るようでは遅すぎるのだ。

よりにもよって、ヴェルリット荘園だと?

ロフは冷ややかな笑みを漏らした。かつてのヴェルリット荘園であれば、誰が命知らずにも侵入など試みただろうか。カンティニがあっさりとヴェルリット領に潜り込めたのは、二年前のあの惨劇によって一族郎党が皆殺しにされ、生存者が皆無となったからに他ならない。ヴェルリット家には新たな護衛を育成する時間などなく、領内の隅々にまで目を光らせる余裕などないと、彼女は踏んだのだ...

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