第74章 空っぽの町?

サヤワは辺境の町に隣接しているものの、主要な行軍路の脇に位置しているわけではなかった。そのため、ヴァルニクサのように大量の駐屯軍が配置されているわけでもなく、専門の城防兵器も設置されていない。

第三急行隊が付近に到着した時、視界は一面の闇に包まれていた。今宵は月がなく、月明かりを頼りに前方の道を見定めることはできない。彼らは自らの進軍を隠すため、松明も携行していなかった。

今回の行動はフロール将軍直々の奇襲命令によるもので、目的はサヤワを占拠し、その後タク山脈へと繋がる行軍の要塞に改築することにあった。ただ、将軍曰く、サヤワはヴァルニクサからある程度の距離があり、こちらが原住民と戦闘にな...

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