第8章

ロフは一瞬呆然として、思わず自分の友人を思い出した。かつて先王に命じられて軍で修行していた時、偶然にも軍事の天才と呼ばれていたスコダ公爵と知り合い、最終的には年齢差を超えた親友となった。

スコダは戦場では殺人機械と称されるほどで、戦場を離れる度に、ほぼ全身が敵の血で染まっていたものだ。しかし、そんな殺気立つ男にも弱点があった。それがアネルだった。娘の話題になった時だけ、ロフはスコダの顔に温かさを見ることができた。殺人機械の姿は消え、一人の慈父が娘の素晴らしさを延々と語り、さらにはロフを自宅に連れて行き、人形のように美しいその少女を見せようとするのだった。

そうだ、もしスコダがまだ生きてい...