第8章

 金色の午後の日差しが、雲みたいに柔らかなマットレスいっぱいにこぼれていた。

 私は小さな白いカプセルを飲み込み、薬っぽい淡い霞が脳にふわりと降りるのを許した。

 客観的な尺度で測るなら、私の人生は完璧そのものだった。五千万ドルの相続人。廊下を挟んだ先の子ども部屋では、かわいい赤ん坊がすやすや眠っている。夫は気が利いて、優しくて、どうしようもないほど私に夢中だ。

 それなのに――精神科の薬が作る化学的な静けさの下で、静かな、しかし確かに歯を立ててくる不協和音が、頭の奥でぶんぶんと鳴っていた。間違った場所に無理やり押し込まれたパズルのピースみたいな違和感。掻いても掻いても届かない痒み。

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