第12章 死んでも認めない

石川明美が急いで立命ホテルに駆けつけたとき、見覚えのあるシルエットを見つけた。細い腰に中長髪、新垣洋子以外の誰でもなかった。石川明美の心は半ば沈んだ。今回は無駄になりそうだった。

案の定、ホテルのマネージャーは石川明美に、監視カメラが1週間前から故障しており、業者が持ち帰ったままで、まだ修理されていないと告げた。

この結果は石川明美も予想していたことだった。

特別がっかりしたわけではなかったが、やはり落胆の気持ちはあった。結局このビデオは石川明美にとっても非常に重要だったのだ。

「お待ちください!お客様!」

フロントの女の子が急いで駆け寄ってきた。

「お姉さん、あなたのお友達が宿...

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