第116章 なぜ帰国するのか?

坂東補佐は小さくため息をつくと、ひとまず伊沢赤司の注文を取りに行くしかなかった。

食堂の責任者は、伊沢赤司が食堂で食事をするらしいと聞いた途端、厨房に指示を飛ばした。丁寧に炊いた粥が用意され、責任者自ら盆に乗せて伊沢赤司の前へ運んでくる。

向かいに綾部栞が座っているのを見ると、今度は栞の分まで気を利かせ、滋養のあるスープも添えた。

食堂の席は、長方形の四人掛け。片側に二席ずつ並ぶタイプだ。

坂東補佐は自分の食事を受け取ると、空気を読んだように別のテーブルへ移った。伊沢赤司の隣に座るわけにもいかないし、まして綾部栞の隣など――そんなことをしたら、伊沢赤司がその場で顔色を変えるに決まって...

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