第119章 伊沢赤司が妃奈ちゃんをオープニングダンスに誘う

綾部栞は淡い色味のドレスに身を包んでいた。控えめなのに、品だけはきちんと立っている。

彼女は静かに脇へ退いたまま、伊沢赤司のほうへ歩み寄る気配もない。

そして、周囲の視線は自然と――彼女の手を握る小さな女の子へ集まった。

赤いミニドレス。頭には小さなティアラ。どう見ても、丁寧に整えられた装いだ。

顔立ちは綾部栞に驚くほど似ていて、九分どころか、ほとんど写し鏡のようだった。

(……子ども? 綾部栞の?)

ざわり、と空気が揺れる。

互いに視線を交わし合い、探るような目が増えていく。けれど誰も確信には至らない。事情が見えず、ただ戸惑いだけが漂っていた。

綾部栞と伊沢赤司の過去のいざ...

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