第127章 自分でベルトを外す

綾部栞はわずかに目を強張らせ、自分の手までつられるように熱くなるのを感じた。

一拍置いて、気まずそうに手を引っ込める。

「……自分でベルト、外して」

声は小さく、低い。恥ずかしさが滲んでいて、伊沢赤司と目を合わせることすらできない。

伊沢赤司はただ静かに彼女を見ていた。何もせず、胃の痛みに耐えきれないのか、ときおり眉を寄せるだけ。

その反応に、綾部栞の瞳に小さな疑問が走った。

もう一言かけようとした、そのとき。

ベッドに横たわっていた男が身じろぎし、身体を起こそうとする。だが酔いが残っているせいで、どこにも力を預けられず、ふらついた。

――坂東補佐が言っていた。今夜はかなり飲...

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