第132章 伊沢赤司が綾部栞と一緒に表彰式に参加する

綾部父は、綾部栞の言葉を静かに聞いていたが、やがて黙り込んだ。

栞は、父の顔色が少しずつ重くなっていくのを見て、唇の端をわずかに持ち上げる。顎を上げ、まっすぐ父を見た。

「お父さん。……この誤解、私にとっては案外いいことでもあるの」

綾部父は一瞬きょとんとして、栞の言葉の意味をすぐには掴めなかった。

栞はそれ以上、何も続けない。ただ、薄い笑みを残すだけ。

父も追及しなかった。若い者のことは、若い者同士で片をつけるべきだ――そう判断したのだろう。

栞は妃奈ちゃんのところへ歩み寄り、小さな手を取ってダイニングへ向かった。綾部父も、その後ろをついていく。

料理が運ばれ始めた頃、坂東執...

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