第140章 このところ佐野婆さんの体調がどうなのか分からない

北条一臣は綾部家の父に挨拶を済ませると、綾部栞を連れて外へ出た。

玄関先では妃奈ちゃんが、じっとこちらを見上げている。今にも「一緒に行きたい」と言い出しそうな、名残惜しそうな顔。

その視線を受けた瞬間、北条一臣の胸はふにゃりと柔らかくなった。

――自分みたいな、性癖がまともじゃない人間ですら、綾部栞みたいな美人を見れば素直に目の保養だと思うのに。

それなのに、あの元夫は……彼女が子どもを身ごもっていた時期に、よくも離婚なんて切り出せたものだ。

車を綾部家の敷地から走らせたところで、北条一臣は堪えきれず口を滑らせた。

「君の元旦那、たぶん性癖おかしいよ」

それ以外、説明がつかない...

ログインして続きを読む