第22章 綾部栞、その寝間着、お前が着てもったいないだな

伊沢の祖母は薬を飲むと少し眠気が出たらしく、使用人に支えられて部屋へ戻っていった。綾部栞もそれを見届けてから、静かに二階へ上がる。

彼女の姿に気づいた使用人が、にこやかに声をかけた。

「若奥様、お寝間着はご用意しております。ウォークインクローゼットにお入れしてありますので」

綾部栞は小さくうなずいた。

寝室に入ると、伊沢赤司はすでに風呂を済ませ、ベッドにもたれてスマートフォンをいじっていた。

綾部栞に気づき、ちらりと一度だけ視線を上げる。

「湯加減、調整してある」

それだけ告げると、また画面へ目を落とした。指先が素早く動く。誰かに返信しているらしい。

綾部栞は視線を引き、ウォ...

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