第31章 かつてに戻る

宮本西衛は、ただ脇で相槌を打つだけの役回りに甘んじる気はなかったらしい。食事の合間にも自分から話題を振り、そのおかげで綾部の父の目にも留まった。

男が三人、仕事や商売の話になれば、やはり乗ってくる。

綾部玉季も同じ業界にいるだけあって、ところどころ口を挟めた。けれど部外者の綾部栞には、正直退屈でしかない。

彼女は黙って箸を動かしながら、彼らの口にする数字や情勢の話を聞いていた。まるで天文の講義でも聞かされているみたいで、眠気ばかりがじわじわと募っていく。

伊沢赤司がふと横目を向けると、綾部栞がこっそり小さな欠伸を噛み殺したところだった。

しばらくしてから、彼は適当な口実をつけ、綾部...

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