第76章 恥をかかせるつもり?

北条清森はうなずき、「ふうん」と鼻を鳴らした。

加賀峰は、こいつがまた恋に落ちた顔をしているのを見て、露骨に嫌そうな表情をする。

「恋愛脳って、ほんと救いようないな」

北条清森が加賀峰の脛を軽く蹴る。

「はっ。嫉妬だろ」

加賀峰は一瞬、言葉に詰まった。瞳の色が、すっと沈む。

――確かに。彼女は相手にもしない。それどころか、嫌っている。

綾部玉季は今夜、綾部家へ戻る予定だった。

だから北条清森は玉季を迎えに行くと、そのまま綾部家まで送り届けた。

車を降りるとき、綾部玉季は赤い唇を寄せ、北条清森の頬に小鳥がついばむみたいなキスを落としてから、囁く。

「帰るとき、あんたの親友も...

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