第102章 それでも我慢できない

霧島英昭は火がついたように慌て、三歩を二歩に縮める勢いで駆け寄ってきた。

霧島絢香は父の腕から、娘をひったくるように受け取る。

小さな身体は驚くほど熱く、薄い服越しでも灼けるような体温が伝わってきた。

霧島初音は頬まで真っ赤に染まり、いつもはきらきらしている大きな瞳はいま固く閉じられている。濡れたまつ毛が頬に張りつき、呼吸は速いのに弱々しい。さらに、小さな身体がときおり、かすかにびくりと震えた。

「初音? 初音、起きて……!」

絢香の声が震える。額に触れた瞬間、熱さに胸の奥がきゅっと締めつけられた。

抱きしめる腕に力が入る。

「どうして……! 初音、なんで急に熱が……!」

霧...

ログインして続きを読む