第122章 彼女は疑念を抱いた

桜井陽菜はもう他のことなど構っていられず、上着を手当たり次第に掴んだ。

「とにかく、あいつらを落ち着かせて! 私、すぐ行く! それまで――九条美幸を、九条雅人や霧島絢香と話させないで」

九条美幸が目を覚ます前に、場を押さえなければならない。

そして何より、霧島絢香に九条美幸を足がかりにされて、九条雅人へまた絡みつかれるわけにはいかなかった。

ほどなくして――。

九条雅人たちがICUの前に着いた、その瞬間。

数名の専門医が険しい顔で看護師を連れ、足早に中へ入っていく。重い隔離扉がゆっくりと閉まり、外の空気を断ち切った。

赤いランプが点灯し、全員が廊下に取り残される。

報告をしよ...

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