第123章 いったい何の話だ

霧島絢香は唇をきゅっと結び、視線を逸らしてそれ以上見ようとしなかった。

その一方で、九条美幸の視線がゆっくりと室内の面々をなぞり、最後に霧島絢香へと落ちる。

彼女を認めた瞬間、九条美幸の頬をつうっと涙が伝った。

「……う、うっ……!」

喉の奥から「ひゅっ、ひゅっ」と掠れた音が漏れる。何か言おうとしているのに、片麻痺のせいで言葉にならない。

霧島絢香は初音を抱いたまま慌てて近づいた。

「おばあさま、絢香です。会いに来ました。初音も一緒です」

初音は小さな手をぱたぱた振って、やわらかい声で言う。

「ばあば……ばあば、はやくよくなってね」

霧島絢香がさらに一歩踏み出そうとした、そ...

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