第124章 彼女を信じ、迷わない

九条雅人は伏し目がちに彼女を見下ろした。もともと彫りの深い顔立ちが、今はなおさら陰影を増し、視線だけで意味深な余韻をまとっている。

霧島絢香は細い眉をきゅっと寄せる。

「嫌なら、別にいい」

その次の瞬間、九条雅人は迷いなく専属秘書へ電話を入れた。

「はい、九条社長」

「20分以内に、大奥様の病室へ隠しカメラを設置しろ。映像は全行程暗号化。閲覧権限は俺と霧島さんだけ」

「ほかの人間には一切漏らすな」

「それから中村さんを呼べ。今日から24時間体制で大奥様の付き添いだ。俺と霧島さんの許可なく、誰も近づけるな」

冷えた声。切り捨てるように断定的で、躊躇が一片もない。

秘書は息をの...

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