第130章 また絡んできた

九条雅人の瞳の奥に、ふっと笑みがよぎった。

「主催側とうちが組んでる以上、どう動けばいいか……分かってるよな」

千野秘書は一瞬きょとんとしてから、背筋を正す。

「承知しました」

「それと――天然のルースのサンプルをいくつか。輸入のプロ用デザインツールも付けろ。まとめたら霧島家へ届けてくれ。『参加者には同じ支給がある』って言えばいい」

「かしこまりました、九条社長」

返事はきっぱり。けれど千野秘書の胸中は、別だった。

――これ、遠回しに霧島さんへ便宜を図ってるのと同じじゃないか。

しかも、いつもは容赦のない九条社長が、霧島さんのこととなると……どこか違う。

それから三十分後。...

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