第23章 暴走しかけた

中村さんはますます嬉しそうに笑った。

「いいですね、いいですね。じゃあ、私はお邪魔しません。早めに休んでくださいね」

そう言いながら果物の盛り合わせまで彼の手に押しつけ、背中をぐいっとひと押しする。

――そのまま、九条雅人は不意打ちで部屋の中へ。

……もう、迷う必要もないか。

九条雅人は薄い唇をきゅっと結び、果物の皿を手にしたまま、まっすぐ寝室へ入った。

ドアの開く気配を聞いた霧島絢香は、心臓がひゅっと縮む。反射的に目を閉じた。

今さら動いたところで遅い。

タブレットもペンも、さっきのまま。霧島絢香は呼吸だけを整え、寝息を装った。

……九条雅人と、二人きり。

その気まずさ...

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