第27章 誠治さんと一緒に行く

霧島絢香が通話を切ると、すぐさまデザイン画をまとめ、バッグを掴んで部屋を出た。

「迎えがいる」なんて、ただの口実だ。

これ以上、九条雅人と余計な縁を増やしたくない。ましてや、桜井陽菜と自分の目の前で仲睦まじくする姿なんて――見たくもない。

アパートを出ると、外気の冷たさがまだ残っていた。絢香はコートの前をきゅっと押さえ、手近なタクシーを止めて警察署へ向かう。

父の件は、まだ決着がついていない。

胸の奥にずっと、重たい石が沈んだままだ。

タクシーの後部座席で窓の外を眺めているうち、思考はいつしか遠くへ流れていった。

そして、車が警察署の前にぴたりと止まって――ようやく現実に引き戻...

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