第32章 温もりの後の、余計に際立つ冷たさ

翌朝。

カーテンの隙間から差し込む朝の光が、やけに眩しかった。

霧島絢香は意識が浮かび上がるなり、まず眉をひそめた。

昨夜、カーテンを閉め忘れたのだろうか。

そう思った次の瞬間、彼女の体がぴたりと強張る。

最初に感じたのは、目の前の温もりと硬い感触。

はっと目を開けると、鼻先は九条雅人の胸元に触れていて、腕は彼の腰にしっかり回っていた。

霧島絢香は目を見開いたまま固まり、次いで一気に顔をしかめる。

「雅人? 誰が抱いて寝ていいなんて言ったのよ!」

九条雅人は起こされ、低く掠れた声を落とした。

「……起きたか」

起きたか、じゃない。

霧島絢香はもがいて彼の腕の中から抜け...

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