第38章 絢香、お前は俺のものだ!

「高いかどうかを決めるのは、あなたじゃないわ」

霧島絢香はそこで言葉を切り替え、淡々と続けた。

「あなたにお金がなくても、九条雅人にはあるでしょう。300万なんて、あの人にとっては端金よ。高いと思うなら、私に頼まなくていいわ」

桜井陽菜の顔色がさっと青ざめる。指先はスカートの裾をきつく握りしめていた。

まさか、霧島絢香が口を開くなり300万を提示してくるなんて思ってもいなかったのだろう。

けれど、自分の結婚指輪を霧島絢香にデザインしてもらえる機会を、そう簡単に手放すこともできない。

しばらく逡巡した末、桜井陽菜は奥歯を噛みしめるようにして言った。

「……分かったわ。300万でい...

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