第41章 おばあちゃんが桜井陽菜の顔を叩く

数秒の沈黙ののち、桜井陽菜はようやく悔しさを滲ませて口を開いた。

「おばあさま……私、雅人さんとは仲がいいんです。本当にお腹が痛くて……どうしても無理で、それで……」

「仲がいい?」

九条美幸は鼻で笑った。

「じゃあ言ってみなさい。どういう仲で、腹痛くらいで私の孫に付き添わせるの? 雅人は既婚よ。分別ってものを知らないの? 恥を知りなさい。うちの絢香に嫌がらせしたいだけでしょう」

電話の向こうで、桜井陽菜は爪が掌に食い込みそうなほど拳を握りしめた。

「ち、違います、おばあさま。どうしてそこまで私に偏見を……絢香さんが何か言ったんですか?」

「遠慮なく言うわ」

九条美幸の声は容...

ログインして続きを読む