第49章 過ちを認めても無駄だ

その名は、冬空から落ちた氷柱みたいに冷たく、霧島絢香と九条雅人をつないでいた薄い糸を、いとも簡単に突き破った。

絢香は瞳の色を引っ込め、さっきまでの淡い微笑みも凍らせる。元の淡々とした顔へ――。

雅人は迷った末、結局通話を取った。

「雅人ぉ……今日、まだ病院に来てくれてないよね。アイスケーキ食べたいの。買ってきてくれない?」

桜井陽菜の甘い声には、拗ねたような委屈が混じっていた。

雅人は眉を寄せる。だが声は優しい。

「今は冷たいものは駄目だ。子どもに悪い。もう少し我慢しろ、代わりに別のものを送らせる」

「でも……私ひとりで病院にいると、ほんとにつらい……」

陽菜の声が震え、泣...

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