第55章 妊娠発覚?

10分後。

霧島絢香は最上階の執務室へ到着した。

内装は無駄のないミニマル。桜井誠治という男の人柄そのままに、控えめで柔らかい空気が流れている。

絢香は息を整える間もなく中へ入り、早口で切り出した。

「誠治さん、ネット見ました? 私も誰が流したのか分からなくて……こんな騒ぎになるなんて……本当にごめんなさい。巻き込んでしまって……」

桜井誠治は彼女の姿を見た瞬間、すぐに立ち上がり、温めてあった牛乳を差し出す。

「俺に謝る必要ある? どうして『ごめんなさい』になるんだ」

霧島絢香は受け取る手に力が入る。瞳の奥には罪悪感が滲んでいた。

「全部、私のせいで……あんな噂まで……」

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