第64章 彼女はどこから金を手に入れたのか

桜井陽菜は、はっと息を呑んだ。

下唇をぎり、と噛みしめる。涙が瞳の縁で揺れているのに、落とす勇気だけがない。

――こんな言い方を、九条雅人が自分にしたことなんて、今まで一度でもあっただろうか。

「わ、私は……」桜井陽菜は顔いっぱいに悔しさを滲ませた。「雅人、私のこと信じないの? 私たちの気持ちはここにあるのに。今まで言ってくれたこと、全部嘘だったの?」

九条雅人の表情は、沈んで冷え切っている。

そこへ浅倉夕菜が鼻で笑った。

「話そらすの上手いね。結局、最初から最後までぜーんぶ自作自演ってこと? 暇すぎて死にそうなの? それとも承認欲求こじらせて発狂した?」

個室にいた他の友人た...

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