第69章 離婚してから追いかけると分かった

霧島英昭は言った。

「絢香は昔、お前に対して腹の底まで見せてた。惜しみなく、な。今になって全部捨てられるってことは……本当に、もう手放したってことだ」

手放した……?

九条雅人は舌先で頬の内側を押した。

腕の中の箱へ視線を落とす。中身は、かつて自分が何気なく渡した贈り物ばかりだった。

安っぽいクリスタルボール。どこにでもあるネックレス。接待の帰りに適当に買った土産まで。

自分にとっては取るに足らないものを、霧島絢香は三年も、きちんと大事にしまっていたのだ。

九条が黙ったままでいると、英昭は両手を背に回し、言い含めるように続けた。

「トレンドと世論の件は、きれいに片付けろ。絢香...

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