第80章 誰の子どもだ

桜井陽菜は内心ほくそ笑んだ。

あのとき霧島絢香にあれだけ恥をかかされ、九条雅人にも相手にされなくなった。

――でも、今はどうだ。

霧島絢香はきっと海外でやっていけなくなって、逃げ帰ってきたに違いない。

着ている服にはロゴひとつない。どうせ安物、ゴミみたいな品だ。

様子を見ていた店員がすぐに寄ってきて、霧島絢香を見下すように鼻で笑った。

「お客様、当店はハイブランドのオーダーメイドが中心でございます。ご購入のご予定がないのでしたら、むやみにお触りにならないでください。破損された場合、弁償は難しいかと」

言いながら、店員はわざとらしく桜井陽菜へ向き直る。

「それに桜井様は現在、各...

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