第81章 九条美幸が怒る

九条雅人には何ひとつ知らせず、それどころか陰でずっと彼女を気にかけてくれていた。ときどきP市へ滋養の品や、赤ん坊用の用品まで送ってくる。

それだけじゃない。体を大事にしなさいと、何度も何度も言い含めるだけで、決して急かしたり、追い詰めたりはしなかった。

――おばあさまは、本当に自分を可愛がってくれている。

その偏愛を、霧島絢香はずっと胸にしまってきた。

「おばあさま、安心してください。私は大丈夫です。初音はすごくいい子で、小さい頃から手がかからなくて。あんまり私を困らせたりしませんでした」

九条美幸の腕の中で、霧島初音が「くすくす」と笑う。絢香はその顔を見つめ、瞳の奥まで柔らかくほ...

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