第97章 本当に誤解なのか

九条雅人はそれ以上何も言わず、いくつか言い含めると、そのまま部屋を出た。

片づけるべき仕事が山ほどある。それに――祖母が倒れた日の監視映像も、すでに回収させている。

ぎいっ――

扉が閉まる。

その瞬間、桜井陽菜の顔から、さっきまでの柔らかさが跡形もなく消えた。

「親孝行? ふん」

彼女はゆっくりとベッドへ歩み寄り、意識のないまま横たわる九条美幸を見下ろす。

唇の端を冷たく吊り上げる。

「クソババア、よくもまあ、のんきに眠ってられるわね。あれだけ私を毛嫌いしてたくせに……結局、私の手のひらの上じゃない」

身をかがめ、声を喉の奥へ押し込めるほど低くした。

「霧島絢香が九条家に...

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