第98章 何を企んでいるのか

霧島絢香は車を飛ばして病院へ向かい、足音を殺して病室のドアを押し開けた。

張り詰めていた胸は、中を見た瞬間——底へ落ちた。

ベッドの上で、九条美幸は上半身が布団の外に晒されている。

掛け布団はずり落ちたまま。誰も直していない。

そして、ベッド脇にいるはずの付き添いは——桜井陽菜だった。

霧島絢香は二歩、病室の中へ入る。

だが、イヤホンをつけた桜井陽菜は気づきもしない。

ソファにあぐらをかき、タブレットを掲げて、サイトの動画に合わせてヨガをしていた。

伸びやかな姿勢。のんびりした表情。

音楽に合わせて小さく頷く様子は、ここが病室だということを忘れているみたいで——まるで自宅の...

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