第105章 悪友どもによる鴻門之会

夜。諏訪詩織はリビングで果物をつまみながらテレビを眺めていた。庭先から、ぷっと短いクラクションが聞こえる。

――帰ってきたな。

案の定、ほどなくして長谷川遥斗がブリーフケースを提げ、どこか浮き足立った様子で玄関から入ってきた。ソファの詩織を見つけるなり、まっすぐ寄ってくる。

「詩織。数日後、陸川卓実の誕生日なんだ。クルーズ船で誕生日パーティーをやるってさ。俺たちも来いって」

差し出された招待状を受け取り、詩織はさっと目を通す。瞳の奥が、わずかに沈んだ。

金持ちのボンボンの誕生日会が、ただの集まりで終わるはずがない。

それに、陸川卓実のことは詩織も知っている。陸川グループの御曹司で...

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