第111章 感情の破綻?

諏訪詩織は、背を向けて立ち去ろうとした牧野徹の腕をつかんだ。

「行かないで。今の私は泥沼にいるの。あなたまで巻き込む必要はない」

牧野徹は真剣な顔で彼女を見つめ返す。

「だからって、君があいつに好き放題されるのを黙って見ていられない」

諏訪詩織は眉尻をわずかに上げ、ふっと笑った。目の前の男をまっすぐ見据える。

「私って、あなたの中でそんなに弱いの?」

「違う」牧野徹は慌てて首を振る。「ただ、心配で……」

諏訪詩織は彼の肩に手を置き、声を落とす。

「あなたも言ったでしょ。相手は厄介。今ここで断ったところで、引き下がるとは限らない。むしろ機嫌を損ねるだけ」

あの女は、わざわざ火...

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